鹿島/新宿三井ビル屋上設置の超大型TMDが制震効果発揮/11月の福島県沖地震で

 鹿島は27日、東京・西新宿にある三井不動産の「新宿三井ビルディング」の屋上に設置した超大型TMD(制震装置)が、11月27日に発生した福島県沖地震で所期の効果を発揮したと発表した。長周期地震動対策として高さ210メートルの屋上に据え付けたTMD6基(1基当たりの重量300トン)すべてが正常に作動し、建物の揺れを軽減したことが当日の観測記録から確認できたという。
 新宿三井ビル(新宿区西新宿2の2の1)は1974年の竣工で、規模はS一部RC・SRC造地下3階地上55階建て延べ18万0368平方メートル。東日本大震災以降のBCP(事業継続計画)対応へのテナントニーズの高まりを受け、新築ビルと同水準に耐震性能を向上させるため、TMDの設置工事を行い、15年4月に完了した。
 TMDは、これまで超高層ビルの風揺れ対策で設置されてきた振り子式重り技術を応用し、三井不と鹿島が超高層ビル向けに共同で実用化した「3DSKY」(ディースカイ)」。
 11月22日午前5時59分ごろに発生した福島県沖を震源とするマグニチュード7・4の地震は、新宿三井ビル1階で観測された地震動で比較すると、東日本大震災で観測された地震動の約5分の1の大きさだった。
 TMDを導入した制震改修設計で使った建物解析モデルに、今回の地震で観測された1階の加速度波形を入力してシミュレーション解析を行い、観測された建物頂部の揺れやTMDの挙動と比較した。その結果、建物の揺れ、TMDの挙動とも良好に一致し、解析モデル・設計手法の妥当性とその精度が確認されたという。
 TMDの制震効果を評価するため、TMDを設置する前の建物モデルを用いたシミュレーション結果と観測結果も比較。建物の揺れの振幅の最大値は約30%低減されており、地震継続時間中の振幅の平均値(RMS値)もおおむね半減した。建物頂部の変位の軌跡を概観しても、東西・南北両方向の揺れがおおむね半減していることが確認できたとしている。

(日刊建設工業新聞様より引用)