鹿島/水面浮体型ドローン開発/上空・水中から迅速調査、生物環境や地形情報収集

 鹿島は9日、水面下の生物環境や地形情報の調査用に、着水可能な水面浮体型ドローン(小型無人機)「スワンズ」を開発したと発表した。機体下部のドームポート内に搭載したカメラで上空からの俯瞰(ふかん)映像や鮮明な水中映像を撮影し、リアルタイムに伝送・記録できる。人が潜水して行う従来の方法に比べ、短時間に広範囲を調査できる。沖縄県で取り組むサンゴ群集の再生活動などに役立てていく。
 スワンズはプロドローン(名古屋市中区、河野雅一社長)製の産業用小型ドローンがベース。幅860ミリ、高さ345ミリ、機体重量4キロで、ローター部4カ所と中央部に浮力を持たせ、安定した着水を可能にした。
 飛行時間はバッテリー1台で20分。鮮明な動画・静止画が撮影できる4Kカメラを搭載し、人が歩くのと同じ速度で海面を飛行しながら撮影したり、着水して水中を撮影したりする。超音波式センサーを搭載し、サンゴの生育評価に必要な水深や海水温も計測できる。
 従来のモニタリングは、事前に方形枠やラインなどの目印を人力で海底に設置する潜水作業が必要だった。スワンズの実用化で調査時間を大幅に短縮するとともに、安全性を向上した。岩礁など障害物や波など気象状況に左右されずに調査できる。
 同社は13年に自然分解可能なサンゴ礁の人工基盤「コーラルネット」を開発。慶良間諸島海域でサンゴ礁の再生に取り組んでいる。同海域で行ったスワンズの実証実験では、着水後の水中撮影によりサンゴの分布状況、種類の判別までできることを確認した。ドローンで上空・水中両方からサンゴ礁域をモニタリングするのは初の試みという。
 今後、詳細な調査によりサンゴの海底マップを作製し、コーラルネットの効果的な配置計画を実現する。海底地形の3次元(3D)化や水質、流速など海洋観測技術への応用も検討していく。
 今年はサンゴ礁生態系保全の国際協力の枠組み・国際サンゴ礁イニシアチブ(ICRI)が定める「国際サンゴ礁年」で、同社は環境省からサンゴ礁保全のオフィシャルサポーターに任命されている。

(日刊建設工業新聞様より引用)