鹿島/高低差ある現場向けコンクリ運搬・打設システム開発/新型バケットとホース

 鹿島は18日、高低差のある現場向けのコンクリート運搬・打設システムを開発したと発表した。硬練り、高粘性のコンクリートでも排出可能な新型バケットと打設時の材料分離を抑制できる扁平(へんぺい)形状のホースを組み合わせる。岩手県で施工中の三陸沿岸道路長部高架橋の橋脚工事で試行した。コンクリートのフレッシュ性状が変化せず、材料も分離しないことを確認し、高耐久のコンクリート構造物を実現した。
 コンクリートの打設場所への運搬は、コンクリートポンプ車による圧送が多い。ただ、高低差がある場所など距離のある圧送では、スランプが低下し圧送管が閉塞(へいそく)するケースがある。バケットによる運送でも硬練りの場合は、バケット内でコンクリートが滑り落ちにくいため、排出口が閉塞したり、通常の円形ホースでは、中で材料分離したりするなどの課題がある。
 開発した新システムのバケットは、内部に傾斜角度を大きくしてコンクリートが滑り落ちやすくするための円すい型のアタッチメントを設置した。バケット中央部の小型バイブレーターと側面の振動モーターにより、振動を加えながら排出することで排出口の閉塞を防ぐ。スランプ8センチの硬練りコンクリートもスムーズに排出できる。
 バケットに取り付ける扁平形状のホースは「OKホース」の名称で、コンクリート排出時の材料分離を抑制する。打設実験の結果、通常の円形ホースは材料分離が生じ、粗骨材が飛散したが、OKホースは筒先から緩やかにコンクリートが落下し、材料も分離することなく連続的に排出できることを実証した。脱型後の表面気泡も少なく、表層部も緻密だった。
 長部高架橋の橋脚工事では、コンクリートポンプ車による圧送では空気量が平均0・7%減少したのに対し、新システムでは空気量の減少がほとんど認められず、凍害防止への優位性も確認できたという。
 OKホースは、コンクリートポンプ車に取り付けるタイプもあり、地下構造物の構築で、地上から直接、地下のコンクリートを打設することが可能。新システムとOKホースを橋梁やボックスルカルバートなど、各種のコンクリート構造物の施工に利用し、適用拡大を図っていく。

(日刊建設工業新聞様より引用)