IHIインフラシステム/八ツ場ダム本体建設(群馬県長野原町)で放流管引き込み完了

 国土交通省関東地方整備局が群馬県長野原町の吾妻川で進めている八ツ場ダムの本体建設工事(施工=清水建設・鉄建建設・IHIインフラシステムJV)が大きな節目を迎えた。設備工事を担当するIHIインフラシステムが、常用洪水吐き設備(主ゲート)に使用する放流管の設置作業を完了させた。常用洪水吐き設備は、ダムの洪水調節機能を担う最重要設備の一つ。放流管は堤体付近で組み立てられた後、慎重に設置作業が進められた。
 放流管は、常用洪水吐き設備へ上流側から水を取り込む鉄構造物。今回設置された放流管は、水平距離(長さ)約23・5メートル、径間(のみ口)約8メートル、純径間(吐き口)4・85メートルで重量は350トン。巨大で山中への搬送は困難なため、十数個に分割して堤体付近の構台へ運搬した後、4カ月かけて組み立てた。
 設置作業は、上流側の作業構台から2台の油圧シリンダーを使って堤体側に少しずつ押し出していく。シリンダーでの1回の移動距離は約1メートルで、約40メートル先の堤体の所定位置へ3時間ほどかけて慎重に移動させた。
 IHIインフラシステムの現場責任者を務める西川浩司副所長は「放流管は大型で重量もあるので、少しのミスでも大事故につながる。組み立てから設置まで安全を最優先に作業を進めてきた。設置作業が無事に完了し、一安心している」と振り返る。同社は常用洪水吐き設備2門のほか、水位維持用放流設備や非常用洪水吐き設備、選択取水設備などの施工も手掛ける。西川副所長は「JVを組む他社とも連携し、気を引き締めて作業に当たりたい」と力を込める。
 八ツ場ダムの建設地は長野原町川原畑八ツ場ほか。洪水調節や都市用水供給、発電、流水の正常な機能維持を目的に建設される。堤高116メートル、堤頂長291メートル、堤体積約100万立方メートルの重力式コンクリートダムで、総貯水容量は1億750万立方メートル。現場では、1日約500人が作業に従事。24時間体制で工事が進められ、19年度の完成を目指している。

(日刊建設工業新聞様より引用)