Jヴィレッジ再整備(福島県楢葉町)/7月に一部施設先行開業/福島復興のシンボルに

 東日本大震災による津波の影響で発生した東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)の事故対応で、収束活動や廃炉に向けた作業の前線基地となった「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町)の再生事業が本格化している。従来施設の再整備に加え、国内初のドーム式全天候型サッカー練習場、コンベンションホールを併設した宿泊棟も建設。スポーツ振興と地域経済の活性化を後押しする福島復興のシンボルとして、一部施設が7月に先行オープンする。
 Jヴィレッジは1997年に日本初のサッカー専用のナショナルトレーニングセンターとしてオープン。震災以降は政府と東電などの関係者が事故収束と廃炉関連作業の拠点施設として使用した。施設内のグラウンドは駐車場などに使われていたため、ピッチ上の芝生ははがれ、練習場としての機能を失った。
 14年5月には県や施設の運営主体である日本フットボールヴィレッジ(現・Jヴィレッジ)、東電、日本サッカー協会らで組織する「Jヴィレッジ復興プロジェクト委員会」を立ち上げ、再整備に向けた本格的な検討を開始した。
 再整備プロジェクトでは、震災前からあったスタジアム(5000人収容可能)や天然芝グラウンド(7面)、人工芝グラウンド(2面)、ホテル棟、フィットネスクラブなどの原状回復工事(一部増築)を実施。新施設として全天候型練習場と宿泊棟を整備する。
 Jヴィレッジ周辺では廃炉やロボット、エネルギー関連分野といった新たな産業基盤の集積を目指す「福島イノベーション・コースト構想」に基づき、官民連携による地域産業の再生が進められている。こうした動きと連動し、新設する宿泊棟にはコンベンション機能を導入する。
 各施設の原状回復工事は東電が前田建設に発注し、先行して工事を進めた。県が整備する全天候型練習場の実施設計・施工を前田建設・佐藤総合計画JV、県電源地域振興財団が整備する宿泊棟の実施設計・施工を安藤ハザマが担当。今年7月にホテルやグラウンド6面(うち天然芝5面)などが先行開業し、19年4月には全天候型練習場やスタジアムなど残る施設が開業する。
 全天候型練習場の工事進ちょく率は先月26日時点で90%。屋根膜の設置が完了し、現在はジョイント部のカバー設置作業などを進めている。前田建設の松本通孝現場所長は「復興に携わる事業ということで、現場の士気は高い。完成後、施設から子どもたちやアスリートの歓声が響けば何よりだ」と語る。
 宿泊棟の進ちょく率は同日時点で52%。躯体が上棟し、内装や間仕切り工事などが進む。安藤ハザマの中島聡一所長は「宿泊棟は再生するJヴィレッジの象徴的な建物となる。完成した施設を見た人たちに福島復興を感じてもらえるよう、安全に細心の注意を払いながら工事を進める」と意気込む。
 天然芝を張り直したグラウンド5面が昨秋、震災前に見慣れていた緑色のじゅうたんのような姿を取り戻した。県の担当者は「目の前で緑色のピッチを見たとき、復興が着実に進んでいることを実感した」と話す。

(日刊建設工業新聞様より引用)

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