JAPIC/社会資本の在り方提言/西日本の移動網整備や東京と地方交流促進要望

 日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)の国土委員会(委員長・大石久和土木学会会長)は22日、社会資本整備に関する提言をまとめ、毛利信二国土交通事務次官に対応を申し入れた。主に西日本が対象の「モビリティ・ネットワークの整備」と、東京と地方の相互交流を促す「高流動型次世代国土像の形成」が柱。日本海側での次世代港湾整備や高速道路網の整備促進、都市型道の駅の整備などを求めている。
 提言のタイトルは「人生100年時代の産業と暮らしを支える社会資本のあり方」。持続的な経済成長と東京一極集中を解消する必要性を強調。その上で、東京に匹敵する西日本経済圏の確立、高齢者と若い世代が共に活躍し、産業を活性化させる社会システムの構築、人流・物流の拠点となる国際都市としての東京の機能強化を進めるよう提案している。
 提言のうち、モビリティ・ネットワークでは、東アジアの貿易需要に対応するため、人工知能(AI)などを駆使した世界最高水準の労働環境を備えたコンテナターミナルの整備を要請。4車線化を含めた高速道路整備を促し、中国地方の山間部の移動効率を高めたり、コンパクト+ネットワークの概念で高速バスターミナルの建設を進めたりすることも求めた。
 高流動型次世代国土像では、国道16号など都心から20~30キロ圏内外の幹線道路を緑化することや、渋滞緩和を目的とした高速の自動運転専用レーンの設置などを提案。道の駅については、災害時の輸送拠点や平常時のコミュニティー拠点となる機能を付加した施設としていくよう求めた。交通の結節点となるJR山手線の駅が国際ビジネス拠点となるよう、機能の更新を進めることも盛り込んだ。
 大石委員長は「東京一極集中は日本の最大の問題であり、東京の機能の受け皿として名古屋と大阪のポテンシャルを利用する以外ない。これが西日本全体の大きな基軸になれば機能的にも十分に対応できる。使い勝手のよい広域圏を形成することが、この国の最大のテーマだ」と主張した。
 提言を受け取った毛利事務次官は「リニア中央新幹線で東京と大阪が結ばれた後、わが国全体にその効果がどう波及していくかなどを検討している。西日本に注目するのは画期的な考え方だ。検討会でも大いに参考にしたい」と応じた。

(日刊建設工業新聞様より引用)