JR東日本/鉄道BIM・CIMの共有サーバーを本格導入/18年度から全工事で

 JR東日本は鉄道施設を対象にしたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)とCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を活用した建設生産システム構築の一環で、鉄道BIM・CIMの共有サーバーを本格導入する。既に複数現場に試行導入し、遠隔地の営業線工事での列車運転に関する保安打合せなどで有効性を確認。機能改良を進め、18年度初めには建設工事部門の全工事で共有サーバーを活用した保安打合せの実施を目指す。
 新システム「Rail-CIM」は幅広い情報活用の促進を目的に、JR東日本とジェイアール東日本コンサルタンツが共同で構築。16年秋ごろから東京圏を中心に試行導入し、機能の拡張や使い勝手の改善を進めてきた。
 発注者のJR東日本だけでなく、設計や工事の請負会社にも専用IDとパスワードを供与することで、プロジェクト関係者がサーバーにアクセスできる。これにより調査・計画、設計、発注、施工、維持管理の各段階で、スムーズかつ漏れのない情報のやりとりが可能となる。
 関係者はパソコンやタブレット端末を使って、時間や場所を選ばず多様な資料が簡単に確認できる。拠点が離れている関係者間での保安打合せも、Rail-CIMに保存したデータを閲覧しながらTV電話アプリで会話し打ち合わせができ、移動にかかる労力や時間が軽減可能だ。発注者側の承認ワークフローでスタンプ押印や手書きメモ機能などを組み込み、ペーパレス化にも寄与する。
 18年度の本格導入に当たり、JR東日本はRail-CIMの利用料など、運用ルールに関する詳細を詰める。BIM・CIMの取り組み名称やシステム名も変更する予定。
 今後、一部工種でTV電話アプリを用いて品質管理を行うことにより、遠隔地の現場に向かう長距離移動の負担軽減のほか、施工会社から発注者に現場で確認が必要な事項を即座に依頼できるなど、現場の生産性向上につながる取り組みを進める。
 BIM・CIM活用の建設生産システムの構築に向けた関連技術の開発・高度化にも積極的に取り組む。出来形確認で三次元(3D)レーザースキャナーを用いて測定にかかる手間を低減する検討や、3Dモデルに属性・規格などの情報を持たせたプロダクトモデルの活用など、各種技術・システムの実用化を進める。
 3Dレーザースキャナーによる計測については、品川駅周辺での線路切り替えに向けた検査業務に試行導入して効果を確認する予定。作業量の大幅な効率化と安全性の向上を目指す。
 同社建設工事部の関係者は「一連の建設生産サイクルの中で、制度的・技術的に可能なものから積極的に導入し、将来的にはBIM・CIMによって維持管理部門と一体で生産性向上を目指していきたい」と話している。

(日刊建設工業新聞様より引用)